碁盤の手入れについて

碁盤の手入れについて

完成されたばかりの盤は仮眠の状態にある生き物と考えてください。
眠りから覚めればまた動き出すことは必然です。
盤の手入れについての根本的な考えは、この一塊の木材をいかにして長く仮眠状態にしておくかということであります。
それには外部からの刺激をなるべく与えないようにしなければなりません。特に直射日光やクーラーなどが直接当たらない場所に置いておきましょう。
木取りの段階で物理的に合理性を考えてつくられているものでありますから外部からの刺激を最小限に押さえておくことができれば木質の安定をおびやかすこともなく恒永的に安心してしようできるものなのです。
この理から考えられたのが盤側に蝋を塗る方法であります。盤側はやむをえない場合を除いては蝋を拭くものではありません。植物油で拭くのは盤面のみに限ります。

ここで私の盤の手入れ方法を記しておきます。
まず盤面に椿油を数滴まいてまんべんなく塗ります。そのあと洗いざらした乾燥したタオルで全身の力をかけて拭きぬきます。隅から隅まで4、5回往復します。時間にして1分足らずです。これを1日1回20日間連続して行ないます。
盤面は一層滑度を増し、きめ細かな面となり指が写るようになります。この後は使用する度にカラ拭きで結構です。盤面に油気を感じなくなり木質がぱさつきましたら、また油を数滴蒔いて下さい。
盤側はなるべく無神経に、手入れをしないことです。汚れが目立つようならカラ拭きする程度です。また新盤十年と言われるものですから当面の間は直射日光や冷暖房の近くは絶対に避けてください。

先に説明したように盤は生き物です。
正当に製作されても盤が反る場合も稀にございます。
もし当店でお求めいただいた盤が正当に手入れをして反ってしまった折りには、責任を持って修理(無償)させていただきます。
安心してご購入ください。

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