紡がれる伝統の技と美
そして、職人の魂がここにある。

The beauty spun with our techniques
represents the soul of our craftsmanship.

「一如 作」

吉田碁盤では、先代から引き継がれている思い
「木の心を知ることができなければ
良い仕事は出来ぬ」

盤師としての伝統工芸とは、
仕事の技術とは別に、
数百年という歳月を生き抜いてきた
榧の立木の命を絶ち、
「碁盤・将棋盤として新たに生まれ変わらせ、
さらに生き続けていただく」
ということだと考えています。

一如とは、「物心一如」
木の心、我が心が一つに感じあうことで
真心のこもった、
この世に唯一無二の個性を生かした
作品を作ることができるのではないかと、
日々是精進致しております。
私どもが材料から吟味し、
手作りで完成させた証として盤裏面に
「一如 作」とサイン(揮毫)を入れています。

盤作りは立木から

盤作りは立木から

Bandukuri

立木を仕入れ、自分たちで製材することで、その木の特徴や木味・木性、節などの抜け具合を理解し製作に入ることができます。
丸太から製材を行うことにより、その他の木材を見るうえでも予測ができるようになり、より良い木取りができるようにもなります。
盤師にとって、とても重要なことになります。
また、そこから乾燥期間に入り、厚いもので約十数年、ヒビカビに注意して自然乾燥させていくことになります。

鉋がけ(道具)

鉋がけ(道具)

Kannagake

碁盤、将棋盤も材質や木目を除けば、直方体の立体物、どれも変わりはありません。
職人独自の技が現れるのは鉋がけ、脚つくり、目盛りです。
鉋は盤のつや、木肌のなめらかさを最大限に引き出すための唯一の道具、鉋の台のつくり、刃のつけ方(研ぎ方)で良し悪しが決まります。
日々の天候が変わるため、台(鉋)には気を配ります。
盤の裏の中心部には、へそと呼ばれるカルデラ型のものが彫られます。
へそが彫られる本来の目的は音響効果、乾燥促進、美的効果です。

太刀盛り

太刀盛り

TheTachimori

江戸時代より継承されてきた技法には
「箆盛り、筆盛り、太刀盛り」があります。
定規を使わず線を引く事が出来るのは刀だけです。それゆえ、盤作りの中で最も簡単に初心者の方でも出来る仕事は、目盛り(太刀盛り)に限るかと思います。ただ単純なだけに、やればやるほど、奥深さ、むずかしさを感じるようになり、どのような盤に向かっても変わらぬ心、不動心が身に付くまでには、相当の時間がかかります。心の動揺が手の動きに出てしまうのです。10の力をいつでも過不足なく発揮できるようにならなければなりません。これが先程申し上げた不動心、心動かず、これが体得出来れば、名人の境地に立つことができるのでしょう。

脚づくり

脚づくり

Ashidukuri

人の姿と同じように盤にも個性があります。その個性を活かしてあげることが、その木を一番美しく魅せることと思います。 そのため碁盤、将棋盤一面一面、脚の形を変えて作ります。年輪が引き立ち、木目が赤く荒々しく男性的な盤には怒り肩の力強い線や、年輪が細かく木目がはっきり見えない、優しさを感じる女性的な盤には、撫で肩の柔らかな線などで、それぞれに彫りの深さを変えます。 盤は直方体の直線と平面の美しさ、脚は曲線とおう面(湾曲)の美しさそのバランスの組み合わせで盤としての品格を生み出す事が出来ると思います。

略歴

二代目吉田寅義

二代目吉田寅義

  • 1927年
    埼玉県羽生市に生まれる
  • 1950年
    初代吉田寅義に師事
  • 1954年
    太刀盛り皆伝、二代目襲名
  • 1966年
    「一如」(いちにょ)と号す
  • 1972年
    日本棋院に於いて初めて実技公開
  • 1973年
    NHKにて全国放送
  • 1975年
    埼玉県知事章受賞(優秀技能保持者)
  • 1983年
    東京都港区マミアナ画廊にて第1回個展を開催
  • 1983年
    労働大臣章受賞(卓越技能章・現代の名工)
  • 1986年
    黄綬褒章受賞
  • 1989年
    ブラジル・サンパウロの日本棋院南米本部会館にて太刀盛り実演
  • 1990年
    埼玉県行田にて第2回個展を開催
  • 1992年
    勲六等瑞宝章受賞
  • 2012年
    埼玉県行田市の無形文化財(保持者)に登録
  • 2012年
    行田市指定無形文化財記念展示会開催
三代目吉田寅義

三代目吉田寅義

  • 1955年
    埼玉県行田市に生まれる
  • 1973年
    二代目吉田寅義に師事
  • 1990年
    埼玉県行田市にて第2回親子展開催
  • 2008年
    テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」の碁盤の鑑定士として出演
  • 2010年
    中国・山西省太原市「山西省商務大学」にて碁盤展示と盤作り講演
  • 2011年
    中国・北京にある中国棋院にて個展・脚作り実演開催
  • 2012年
    埼玉県行田市の無形文化財(保持者)に登録
  • 2012年
    行田市指定無形文化財記念展示会開催
  • 2016年
    中国・杭州棋院にて「碁盤展示と太刀盛り実演」
  • 2016年
    埼玉県知事賞「彩の国優秀技能士」受賞
  • 2017年
    中国・揚州棋院にて「太刀盛り実演」
  • 2018年
    At日中韓サミットで中国・李克強首相へ安倍首相から公賓の贈り物として碁盤が贈られました。
  • 2018年
    外務大臣賞受賞「中華人民共和国における日本文化の普及」
  • 2018年
    中国・上海領事館、上海交通大学にて碁盤将棋盤展示・盤作りの講演
  • 2019年
    東京・伝統工芸青山スクエアにて三代目・四代目碁盤将棋盤展示・脚作り太刀盛り実演
  • 2019年
    中国・北京「慈善寺」にて碁盤展示と盤作り講演
  • 2019年
    東京・伝統工芸青山スクエア公募展に「三代目作品・四代目作品」ダブル入選(下画像)
四代目吉田寅義

四代目吉田寅義

  • 1980年
    埼玉県行田市に生まれる
  • 1998年
    三代目吉田寅義に師事
  • 2016年
    中国・杭州棋院にて「碁盤展示と太刀盛り実演」
  • 2018年
    中国・上海領事館、上海交通大学にて盤作りの講演
  • 2019年
    東京・伝統工芸青山スクエアにて三代目・四代目碁盤将棋盤展示・脚作り太刀盛り実演
  • 2019年
    中国・北京「慈善寺」にて碁盤展示と盤作り講演
  • 2019年
    東京・伝統工芸青山スクエア公募展に「三代目作品・四代目作品」ダブル入選(下画像)

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